2022年1月読書記録

2022年になり、1月~2月半で読んだ本をご紹介します。
感想とおすすめポイント的な部分を簡単にまとめています。

目次

世界アート鑑賞図鑑

アートをもっと楽しく鑑賞するには、歴史を学ぶ必要があるようです。
コンテクストのあるアートが長く残るといわれていますが、多くの方にとって美術史は、美術の授業で軽く触れる程度ではないでしょうか?

本書の全体は、年代ごとに代表する作品が並べられています。見開きで1作品を紹介しており、見るべきポイントをまとめられています。最近は絵画やアートを解説しているYouTubeもありますが、合わせて閲覧するとより楽しめておすすめです。


※現在様々なサイトで在庫切れ状態でした。

ボッコちゃん 他【星新一】

星新一氏の作品『ボッコちゃん』、『マイ国家』等をいくつか読みました。
ちょっとした空き時間にちょうど良いと思います。
ショートショートは短いからと侮るなかれ。短編集は短い文章の中で勝負するため、いつでも最大瞬間風速。2、3行で世界や時間が変わってしまう感覚はエキサイティングでしょう。

今のところ、『午後の恐竜』に収録されている作品は比較的どれもお気に入りです。

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ルビンの壺が割れた【宿野かほる】

「どんでん返し」の文言につられて読んでみました。紙媒体の書籍では180ページ程度と短く、全文フェイスブックのやり取りでつづられているお話です。
個人的には「どんでん返し」ではなかった印象ですが、終始一貫して漂う違和感と気味悪さが怖いもの見たさ?好奇心?を刺激してくれて、すぐ読めてしまいます。
ネタバレするとただの記事になってしまうので、内容が気になった方は実際に読んでみてください。

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カート・ヴォネガット全短編4

後述する『実力も運のうち 能力主義は正義か?マイケル・サンデル著』にて、カート・ヴォネガット著の短編『ハリス・バージロン』が取り上げられていました。ここではこの作品についてのみ記載しています。

この物語の設定は、全ての身体的、能力的特徴を平等にする世界、優れた頭脳の者には思考を阻害する装置が、美女には醜い仮面が、体重やハンディを平等にするため多くの人には重りのようなものを身体にぶら下げています。これらを外せば犯罪です。

ディストピア、SF作品ですが、妊婦さん体験、高齢者体験、認知症体験を連想してしまいました。同じものを背負うことは不可能ですが、これらの体験で少しでも知ることで手を差し伸べることができます。
手を差し伸べるのではなく物理的に背負わせる設定は不思議ですが、他のディストピア作品と一味違って楽しめました。もちろんハッピーエンドではないです。笑

カート・ヴォネガット トラウマの詩学【諏訪部浩一】

おすすめという訳ではないですが、本書は、カート・ヴォネガットのキャリアや社会と作風への影響等を論じられています。
著者の作品を作成した時代背景等を知ることで、より作品を楽しめます。

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実力も運のうち 能力主義は正義か?【マイケル・サンデル】

自分の努力に値する成果って?、努力した人が報われるべきってホント?平等ってなに?といったことを問題定義しています。
リベラルな社会では性別や人種、国籍等自分ではコントロール不可な部分を抜きにした評価指標が必要になります。“能力主義”はそういった面で便利だと。
“不利”な状況だとしても頑張れば成功する、成功すれば英雄的に語られます。とても真っ当な理論に思えますし、実際私自身もそう考えていると思います。

私たちはチャンスが均等に与えられているのならば平等だ、と思ってしまいます。
そして、能力に従ってチャンスを分配しても、能力に見合うよう不平等が再分配されるされることに気づかない。

努力は素晴らしいことですが、頑張っても努力できない、努力が足りないと思い悩むより、運だからと考えると少し楽に生きることができる気がします。
本書の内容を全て咀嚼できた訳ではありませんが、結論としては自分の功績に“謙虚さ”を持つことを説いているかと思います。何か功績を得たとき、「ラッキーだった!」と思えるようになりたいですね…

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2050年世界人口大減少【ダリル・ブリッカー/ジョン・イビットソン】

日本では既に少子高齢化に突入し、2045年頃には高齢者人口も減っていきます。では世界的な動向はどうなのか?
本書では、2050年以降世界全体が人口減少に突入するであろう予測とそれに対する課題・解決策が考察されています。
日本の未来について、このまま小国家として生きるか(ゆっくり死ぬ)、移民を受け入れる(ここでは人口を輸入するといわれています。)かと考えています。どちらにしろゆっくり死んでいくことには変わりない気がしますが…

世界人口の減少という予測は既に定説ですが、人口減少するメカニズムや世界における移民政策の歴史等を知ることができ、変化する時代に向き合うきっかけになる書籍だと思います。

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「日本の伝統」という幻想【藤井青銅】

2月といえば「恵方巻」、「バレンタインデー」…商戦的イベントの代表に思い浮かぶかと思います。
本書では、イベントや冠婚葬祭、観光事業の”伝統ビジネス”の一面を知ることができます。

「伝統だから」と言われると、問答無用で言うことをきけ、変えてはいけない、といったニュアンスを含む場合が多いかと思います。
しかし、”変わらない”伝統ということではなく、時代ごとに馴染むよう変化し続けたものが生き残っていることが分かります。

「革新はいつも片手に伝統を携えてくる。」

時代、技術やアートも既存のものを否定、解体や再構築を経て生まれていると感じますが、この一文には大きく納得しました。
本書は、歴史の長さが重要なのではなく、純粋に楽しめばよいのでは?と提案してくれます。口語体のエッセイスタイルなので気軽に読めます。

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関連書籍『「日本の伝統」の正体』では、”伝統”といわれているものがいつ頃から始まったのか記載されているそうです。

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読書について【ショウペンハウエル】

学生の頃に購入した本を再読しました。
題名を見ると「読書しましょう!」みたいな内容かと想像しますが、読者は他人の考えをなぞっているだけだ、と辛辣に批判してきます。悪書だとディスっている本も多々…現代だったらすぐ炎上する評論家でしょうか。笑

一方で、読書に対する姿勢を今一度改めさせられる言葉もあります。

「紙に書かれた思想は一般に、砂に残った歩行者の足跡以上のものではないのである。歩行者のたどった道は見える。だが歩行者がその途中で何を見たかを知るには、自分の目を用いなければならない。」

ただ単に読むだけではだめ、自分で咀嚼したり、体験することが重要だと改めて考えさせられました。

つまらない本と思ったまま数年積読本でしたが、否定的な部分が新鮮で面白いです。
とにかく同じようなことを何度も言ってくるのでつまらないことには変わりないかも…

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本って読めば読むほど無知を実感して悲しいと同時に、やっぱり楽しいです!

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